先日、土木学会のシンポジウムに登壇し、基調講演を行った。今度は、阪大社研主催のシンポジウムで登壇するので、宣伝したい。以下。
日時: 2018年7月2日(月)午後7時〜8時30分 (開場/受付開始 午後6時から)
場所: 大阪大学中之島センター10階 佐治敬三メモリアルホール
講演 [30分]:「消費低迷と日本経済」
小野 善康 大阪大学社会経済研究所特任教授
討論 [60分]:「日本経済をどう見るか」
原 真人 朝日新聞社編集委員
小島 寛之 帝京大学経済学部経済学科教授
小野 善康 大阪大学社会経済研究所特任教授
詳しい内容は、下記のホームページから。
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/seminar/2018/07/7786
小野さんと、朝日新聞の原さんと、ぼくという取り合わせなので、何が主張されることかは自ずとわかるだろう。そう、きっと、
リフレ政策は失敗したのだ!
という主張が展開されることになるんだろう。(まだ、打ち合わせしてないので、実際はどんな話題が展開されるのかはわからない)。関西方面のかた、是非とも、ご参集くだされ。
さて、土木学会に参加した感想を簡単に述べておこう。
土木学会の側から、京都大学の藤井聡教授と神戸大学の小池敦教授が宇沢先生の理論について報告を行った。どちらも、宇沢先生の社会的共通資本の理論について、よく理解されておられたが、とりわけ、小池教授の研究報告は興味深いものだった。sympathyとempathyとの違いに注目したり、コストvsベネフィットに対するカルドア・ヒックス基準を持ち出し、新しい視点、宇沢先生的な解釈を導入したり、非常に斬新にしてディープな研究だった。
土木学会は、『自動車の社会的費用』を書いた宇沢先生にとって、敵地そのものかと思っていたが、驚くべきことに、そこに先生の理論が芽吹いていたのだ。むしろ、経済学会よりも宇沢先生の理論が定着していると言っても過言ではないのは皮肉なことだった。
もう一つ驚いたのは、小野善康さんの経済政策がかなり議論の俎上に載ったことだった。土木学会は、まあ、公共事業と縁が深いから当然と言えば当然だけど、小野さんの理論がじわじわと普及していることは嬉しいことである。
というわけで、次回は7月に、小野さんが主役のシンポジウムがあるのでよろしくね、ということで。